2018-05-09 アナと雪の女王③ 映画 戴冠式「生まれて初めて」 いよいよエルサが成人して、戴冠式を迎えることになります。 ここで歌われるのが「生まれて初めて」 エルサの魔法の力を悟られないようにするため、使用人の数を減らし、扉も窓も閉ざしていた城に、久しぶりの開放のときが訪れます。 アナにとっては、たくさんの人と会える夢のような日。 エルサにとっては、自分の魔法を知られないように、うまく立ち振る舞わなければならない試練の日。 ふたりの「門が開く」ことに対する考え方の違いが、この「生まれて初めて」で歌われます。 アナが恋愛に憧れるのは、一人で寂しい自分を理解してくれる人と出会いたい、愛して欲しいという欠落感からくるもので、そこにうまく入り込んできたのがハンス王子。 13番目の王子である自分は、兄たちから無視されていた。居場所がなかったというハンスの言葉に、自分と同じ寂しさを感じ取ったアナは、彼との結婚を受け入れる。 これはね~仕方ないね~初めて会った男とダンスをして、一緒に歌っただけで結婚を決めるというのは、一見するとアナが考えなしのお馬鹿さんに見えてしまうんだけれど・・・ 幼少期の一人きりだった描写を踏まえると、印象が変わる。 やっと自分を理解してくれる人が現れた!自分の経験した孤独や寂しさを同じように感じてくれる人がここいいる! 「一人の寂しい日々にもうお別れしよう ふたりだから」と歌うアナは、初めて自分を愛してくれる人を得た喜びで舞い上がっている状態。 だから、エルサに結婚を反対された理由がわからない。 エルサにしてみれば、自分の魔法をアナに知られないようにするだけでも手一杯なのに、そこにどこの馬の骨とも知れない男がいきなりやってきて、さらに12人の兄弟まで呼び寄せようなんて話になり・・・ 「いい加減にして!」となるのもしょうがない。 しかも、エルサは気づいている。アナは自分を愛してくれる人がほしいだけで、決してハンスを愛している訳ではないってことに。 本当にアナとハンスが愛し合っていれば、頭ごなしに反対しなかったんじゃないだろうか。 アナと雪の女王で、繰り返し出てくる門・扉を開ける、閉めるという台詞。 これはキャラクターの心情を象徴していて、アナは「生まれて初めて」で門が外に開かれたことを喜び、自分の心も開かれた=自由だと歌う。 対照的に、エルサは「開くのだ、門を今」と歌うけれど、それは王位継承者としての責務を果たすためで、「誰にも会いたくない」が本音。 ズバリのタイトル「扉をあけて」ではアナの心は全開。英語タイトルでは「Love is an Open Door」だもの・・・。 アナの結婚する!宣言を聞いたエルサは「パーティーは終わりよ、門を閉めて」と言う。 これは、エルサの心が閉じた=アナと話し合うことはもうないとういこと。 この後も、たびたび扉を開ける閉めるが出てきます。