夫婦でボードゲーム

夫婦でボードゲーム

ボードゲームにハマった夫に付き合ううち、嫁が積極的にボドゲ購入するように。ボドゲ初心者から、ようやく中級者になってきた日常を、2人で遊んで楽しいボードゲームを中心にまったり綴ります。(時々、映画・ドラマの感想など)

ウイングスパンの考察<2人プレイ限定>

前回の「ウイングスパンを放出する理由」で書ききれなかった、『2人プレイで気になったこと』について。
そして、ウイングスパンを遊んだ感想のまとめ。

 

<2人プレイで気になったこと>
①ピンク帯カードの存在価値が低い

鳥カードの中には、ピンクの帯で効果が書かれたカードがあります。

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↑ピンク帯のカード

これらのカードは「他のプレイヤーが該当する行動をした時」に発動します。

ですから、仮に第1ラウンドで個人ボードにプレイし、毎ラウンド1回必ず発動するとしても、2人プレイ時は最大4回しか発動しません(!!

実際に使ってみましたが、発動する率は相当低いです。

2人プレイ時は、山札から除いても良いと思います。

そのくらい、恩恵が薄いです。

 

 

②餌ダイスと、鳥カードの回転率が低い。

餌ダイスは「ダイストレイ上にダイスが無くなる」か、「ダイスの示す餌の種類が1種類になったら」振り直すことができます。

しかし、2人プレイで相手プレイヤーが餌の獲得&鳥カードを必要としない状態になると、ダイスの数が動かず、鳥カードの入れ替えも減ります。=ゲームが膠着してしまう。

2人プレイで「種類の違う3つの餌が必要な鳥カード」をプレイするのは、相当にハードルが高いです。

 

卵や手札をコストとして支払っても良いから、ダイス振り直しと、カード入れ替えの権利はあった方が良かったと思います。

 

③次ラウンドで必要になる餌が不明

これは2人プレイに限りませんが、ラウンドの終了時に、カード置き場にオープンされた鳥カードをすべて捨札にし、新しい鳥カードと入れ替えます。

次のラウンドで獲得したい鳥カードのために、餌を準備することができないのです。

 

カード置き場にオープンされた3枚以外に、次ラウンドで登場する鳥カードは3枚程度見えていた方が良いと思います。

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しかし、作者がそうしなかった理由もわかります。

ウイングスパンのカードデザインは、鳥を中央に大きく配置し、カード効果は下部に小さな文字で書かれています。

デザイン性を重視して、視認性に関しては目をつぶっているのです。

 

カード効果以外の「生息地」「プレイに必要な餌の種類と数」「勝利点とカード上に配置できる卵の数」もカードを獲得する際、重要な情報です。

それらをストレス無く読み取るギリギリの枚数が、3枚なのだと思います。

(選択肢を増やすため、6枚のカードオープンで遊んでみたらどうなったかを、文末の<おまけ>に書いてみました。)

 

 

<まとめ>

ウイングスパンを遊んでみて

ウイングスパンは、個人ボードに鳥カードを並べ、そのカード効果をコンボさせることが楽しいゲームです。

個人ボードは他プレイヤーによって邪魔されることはなく、とても平和で、淡々とゲームが進みます。

相手プレイヤーとのインタラクションはほとんどありませんから、ひたすら自分の個人ボードの上で、最適行動をとることになります。

 

インタラクションがあるとしたら

①餌ダイスの獲得

②鳥カードの獲得

③他プレイヤーの行動で発動する効果を得る時

の3つです。

いずれも戦略的にコントロールすることはできないので、「思い通りに行動できたらラッキー」というデザインです。

 このゲームを「軽い」と表現されることがありますが、個人的には「薄い」と言った方が実際のプレイ感覚に近いです。

 

このゲームが「軽い」=初心者でも楽しめる、簡単なゲームか?というと、決してそうは思いません。

カード上の情報は多く、文字が小さいので、カードを覚えてしまうまではじっくり効果を読む必要があります。

 

効果的なコンボを考えながら、目的カードを達成し、最終的な勝利点を積み上げていくのはむしろ「初心者に対しては要素が多すぎる」と思います。

 

かといって、ヘビーゲーマーから見ると、ゲームシステム自体は「どこかですでに遊んだことがある」もので、新規性はその美しい鳥カードと巣箱型ダイスタワー、鳥を個人ボードに呼び寄せる「収集」というアートワークとテーマにしかありません。

 

初めてプレイしたとき、私も夫も「何というか・・・ふわっとしたゲームだね」という感想でした。

「ふわっとしている」。

もっとゲームバランスを突き詰めるなら、前記事でも書いたように「ラウンドごとに登場するカードを分けるべき」だと思います。

 

しかし、作者はあえてそうしなかったのだろう、と今は思います。

運要素をかなり大きく取ること。

それが、この美しく平和で淡々としたゲームを愛好してくれる層にアピールするという計算なのでしょう。

「この鳥、かわいいねー!」「意外と大きいんだね」「こんな餌食べてるんだ!」という会話が、このゲームにおけるインタラクションなのだと思います。

そして、それがこのゲームの楽しみ方なのだとも。

 

鳥たちを図鑑のように個人ボードに収集し、固有の能力を響き合わせてより強いアクションを行う。

美しいコンポーネントと、アイディアは名作になり得るポテンシャルを十分に持っています。

カードの能力調整さえきちんと行えば、末永く遊ばれる定番ゲームになったでしょう。

もったいない・・・ただただ残念です。

 

<おまけ>

我が家のプレイ環境&ゲームの好みからすると「ノットフォーミー」という残念な結果になりましたが、何とか2人でも楽しく遊べないかと試行錯誤しました。

試してみた2人プレイの工夫を最後にご紹介します。

 

①オープンする鳥カードを6枚にする→✕オススメしません。

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6枚の鳥カード

実際に、6枚並べてみました。「ウッ!!」と圧迫を感じます。

カードテキストを6枚分読むのはかなり時間がかかり、ゲームのテンポが悪くなりました。

はっきりと「情報が多すぎる!!」と頭を抱えるレベルです。

もしオープンカードを増やすなら、4枚が精一杯なのでは?と思います。

 

②初期カードを5枚ではなく、8枚配る←◯オススメします。

「気に入らないカードばかりだった時、引き直せば良いのではないか?」という意見を読んだことがありますが、「気に入らないカード」の基準が曖昧なため、平等に8枚初期カードを配ることで、選択肢を増やしてみました。

結果、プレイコストの高いカードばかり引く確率が下がって、好感触でした。

 

8枚カードを配ったとしても、初期で手持ちの餌は各種類1個ずつ、合計5個しかありません。

カードを手元に残すためには、カードの枚数分、餌を破棄する必要があります。

最大手元に残せるカードは5枚まで

実際は2~3枚しか手元には残しませんから、ゲームバランスを壊すことはありません。

 

③毎ラウンド最初に、餌ダイスを全部振り直す←◯オススメします。

2人プレイしか試していませんが、バランスは崩れず、スムーズに餌の獲得アクションができます。

ゲームの膠着を防ぐことができました。