アナと雪の女王⑧
終盤「?」と思うのが、氷の魔法を心に受けたアナが、助かるためには本当に自分を愛してくれている人からキスしてもらうしかない
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婚約者のハンスにキスしてもらおう
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ハンス、裏切る。アナショック。
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そうだ、クリストフにキスしてもらおう!←ココがおそらく大問題になる箇所
アナ、自分が助かるためなら、キスの相手は誰でも良いのかい?と思われても仕方ない。
・・・これは、ストーリーが駆け足になってしまったので、不親切になっていると思うのですが・・・
ハンスに裏切られたことで、アナは「真実の愛」が何かわからなくなってしまった。
その上、エルサにも魔法で攻撃されて(わざとではないですが)、大切な姉の愛も失った。(とアナは思っている)
誰も自分を愛してくれない。もう自分の命は助からないという絶望の状態。
そこで、たったひとつ残った希望に賭けてみるしかなかったのだと思います。
クリストフが自分を愛してくれている保証は無い。
でも、キスで魔法が解けるなら、彼の自分への愛は本物だ!それを確かめたい
誰かに愛されている確証が欲しい。
幼い頃からずっと寂しく過ごしてきたアナですから、愛を求めるのは仕方のないことだと思う。
もし、クリストフがアナにキスしていたら、果たして魔法は解けたのか
・・・解けたと思います。でも、そうするといつものプリンセス物の「めでたしめでたし」パターンになってしまう。
アナ~はここでもう一回話をひっくり返しているところが良かった。
アナは最後の最後でクリストフのキスを選ばずに、自分の命を賭けてエルサを守ることを選択します。
誰かから愛されること(=キス)を求めていたアナが、与えられる愛ではなく、与える愛(エルサを救うこと)を選ぶ・・・
エルサが自分を愛している保証はない。でも、保証なんていらない。自分自身がエルサを愛していることは間違いないんだから!
見返りの無い愛をアナが自覚したことで、アナは自分自身を救うことになります。
「真実の愛」が、アナの内側から湧き出たエルサを想う愛だったところがすごい。
そして、アナの真実の愛は、エルサに魔法をコントロールする方法を教えます。
ここで、英語版はアナがエルサに向かって「I love you」と言っています。
日本語では、「愛してるわ」という台詞じゃなかったと思うのですが・・・「姉妹でしょ」だったじゃないかな・・・。
日本では、妹が姉に向かって「愛してるわ」とは普通言わないですもんね・・・。
でも、ここは「I love you」じゃないと意味が通りにくい場面だったと思います。
エルサは「愛、そう、愛よ!」という台詞と同時に、魔法をコントロールできるようになる。
エルサはアナの無償の愛を知って、自分がたとえどんな状態であろうと、アナだけは決して自分を嫌ったりしないことを知った。
そして、自分自身のアナへの愛を自覚して、「いつか大切な妹を傷つけてしまうかもしれない」=恐れを振り払って、「私が愛する妹を傷つけるはずが無い!」という気持ちに転換したのだと思います。
トロルは最初から、エルサに対して「恐れが敵となるだろう」と言っています。
自分の魔法の力に対する疑心暗鬼こそが障害だったのであって、エルサが自分を信じることができれば、魔法は恐ろしいものではない。
妹に愛されていること。自分もまた妹や国を愛していること。
それが、エルサの「真実の愛」への気づきだったのだと思います。
あー日記が大長編になってしまった。
それだけ色々楽しめた、面白い映画でした