アナと雪の女王⑥
アナと雪の女王を映画館で見てビックリだったことのひとつは、「ありのままで」の歌唱がなんと映画の前半部分だったこと。
ええーこんなに早く、「ありのままで」歌っちゃっていいの?!と思ったのは私だけではないはず・・・
氷の城で、アナとエルサは「生まれてはじめて~リプライズ」を歌います。
アナは「二人でアレンデールに帰ろう、初めて姉さんの苦悩を理解できた。力になる。一緒に夏を取り戻そう」
エルサ「アレンデールが雪で閉ざされたですって?私が自分を犠牲にしても守ろうとしたのに、私の努力は全て無駄だったの?魔法の力をコントロールする方法がわからないの。もうダメよ。私にできることは何も無いわ」
・・・この展開が、日本語詞の「ありのままで」だとわからなくなるんですよね・・・。
日本語詞は自分肯定の歌で、それなのに氷の城でひきこもり→アナからアレンデールの惨状を聞いて混乱→魔法大暴走で、「何やっとるんじゃ、エルサ」となってしまう。
英語詩の自分を押し殺して耐えに耐え、それでも力がバレてしまった。
もう、私にできることは自分を他人から引き離して、孤独だけれど誰にも迷惑をかけることなくひっそり暮らしていくことだけよ、という悲壮な決意
↓
にも関わらず、アレンデールは酷い状況
↓
良かれと思ってやったことが全て裏目にでてしまう。私にできることはもう何も無いという絶望
↓
力が暴走、アナの心を傷つけてしまう
ここがしっかりしてないとラストの真実の愛がわかりにくくなってしまうのに・・・。
中盤以降、ディズニーの「今までディズニーが作り上げてきたプリンセス物のセオリーを全否定していく」怒涛の展開になります。
・一目ぼれなんて嘘!!
・男は地位と名誉じゃない
・ロマンティックな演出より、真心が大事
・男女の恋愛だけが愛ではない
・結婚して「めでたしめでたし」で終わらない
白雪姫やオーロラ姫、シンデレラは立つ瀬が無いなぁ。
「いつか王子様が迎えに来てくれる」をバッサバッサと切っていくディズニーの本気が気持ちよかった!
ハンスは、今までのプリンセス物の王子の王道をいく言動を(最初は)しています。
偶然の運命的な出会い→ロマンティックなシュチュエーションでダンス&歌→アレンデールを守るために模範的な指導力発揮→アナを救うために危険に立ち向かう
パーティーで一緒に歌とダンス踊しただけで結婚を承知しちゃうのという意見もごもっともなのですが、アナとハンスは港で「運命的な」出会いをしています。
偶然ぶつかって、お互いの人となりがわかる会話を交わす→この時点で相手を憎からず思う→パーティーで再会
なので、プリンセス物にしては、十分段階を踏んでいるといって良い。
オールドプリンセス(童話物)は、姫はただ寝ているだけでイケメンの王子がやってきて、キスしてもらって生き返り、結婚する。
姫の主体性はどうした
そして、「お互いを知り合う間もなく」結婚してしまった姫のその後は、本当に幸せなのか?
実際の恋愛・結婚を経験した大人からしてみると、姫たちが心配です。
そしてアナ~では、その心配は現実になって、「結婚が決まったら、王子が豹変してしまう」。
ハンスはなかなか頭が良いなと思います。
世間知らずで、恋に恋するアナを手玉にとって、結婚の約束を取り付け、危機にあるアレンデールを救う言動をとって人心を掌握し、着々と「自分が王になるために必要なこと」を遂行していく。
アナを生かしておいた方が、彼にとっては好都合だったような気もしますが、凍った心を溶かす「真実の愛」がハンスにはないから、アナを助けることはできない。
まあいいか、死んだら死んだで悲劇の婚約者を演じて民衆の同情を買い、人気取りをして王位につけばいい。くらいの気持ちだったでしょう。
彼の唯一の誤算は、エルサを仕留め損なってしまったことだけ。
ハンスからしたら、あと一歩。本当に残念だった。
クリストフは王子とは間逆の設定で、地位と名誉がない。
見た目も決してイケメンではない。
森で立ち小便するし、不潔じゃないのに臭いし、鼻くそを食べる。
実際の男なんてこんなもんだけれど、こうして列挙していくと、ヒロインの相手役として「ちょっとそれはないんじゃないの」という設定になっている。
でも、トロルが歌う「愛さえあれば」の歌詞の通り「誰もが完璧じゃない、大丈夫さ 愛さえあれば」なのです。
アナ自身がクリストフの欠点を受け入れられるなら、全然問題ない。
むしろ、欠点もお互い見せ合った後で、相手が運命の人かどうか見極めようという「お姫様に自分の頭で考えさせる」展開が新しかったですね。
なので、ラストでアナはクリストフとキスして「ああ、これから2人は恋愛をしていくんだな」というところで終わっている。
これが2人の結婚式で終わっていたら、話がぶち壊しだったでしょう
ええーこんなに早く、「ありのままで」歌っちゃっていいの?!と思ったのは私だけではないはず・・・
氷の城で、アナとエルサは「生まれてはじめて~リプライズ」を歌います。
アナは「二人でアレンデールに帰ろう、初めて姉さんの苦悩を理解できた。力になる。一緒に夏を取り戻そう」
エルサ「アレンデールが雪で閉ざされたですって?私が自分を犠牲にしても守ろうとしたのに、私の努力は全て無駄だったの?魔法の力をコントロールする方法がわからないの。もうダメよ。私にできることは何も無いわ」
・・・この展開が、日本語詞の「ありのままで」だとわからなくなるんですよね・・・。
日本語詞は自分肯定の歌で、それなのに氷の城でひきこもり→アナからアレンデールの惨状を聞いて混乱→魔法大暴走で、「何やっとるんじゃ、エルサ」となってしまう。
英語詩の自分を押し殺して耐えに耐え、それでも力がバレてしまった。
もう、私にできることは自分を他人から引き離して、孤独だけれど誰にも迷惑をかけることなくひっそり暮らしていくことだけよ、という悲壮な決意
↓
にも関わらず、アレンデールは酷い状況
↓
良かれと思ってやったことが全て裏目にでてしまう。私にできることはもう何も無いという絶望
↓
力が暴走、アナの心を傷つけてしまう
ここがしっかりしてないとラストの真実の愛がわかりにくくなってしまうのに・・・。
中盤以降、ディズニーの「今までディズニーが作り上げてきたプリンセス物のセオリーを全否定していく」怒涛の展開になります。
・一目ぼれなんて嘘!!
・男は地位と名誉じゃない
・ロマンティックな演出より、真心が大事
・男女の恋愛だけが愛ではない
・結婚して「めでたしめでたし」で終わらない
白雪姫やオーロラ姫、シンデレラは立つ瀬が無いなぁ。
「いつか王子様が迎えに来てくれる」をバッサバッサと切っていくディズニーの本気が気持ちよかった!
ハンスは、今までのプリンセス物の王子の王道をいく言動を(最初は)しています。
偶然の運命的な出会い→ロマンティックなシュチュエーションでダンス&歌→アレンデールを守るために模範的な指導力発揮→アナを救うために危険に立ち向かう
パーティーで一緒に歌とダンス踊しただけで結婚を承知しちゃうのという意見もごもっともなのですが、アナとハンスは港で「運命的な」出会いをしています。
偶然ぶつかって、お互いの人となりがわかる会話を交わす→この時点で相手を憎からず思う→パーティーで再会
なので、プリンセス物にしては、十分段階を踏んでいるといって良い。
オールドプリンセス(童話物)は、姫はただ寝ているだけでイケメンの王子がやってきて、キスしてもらって生き返り、結婚する。
姫の主体性はどうした
そして、「お互いを知り合う間もなく」結婚してしまった姫のその後は、本当に幸せなのか?
実際の恋愛・結婚を経験した大人からしてみると、姫たちが心配です。
そしてアナ~では、その心配は現実になって、「結婚が決まったら、王子が豹変してしまう」。
ハンスはなかなか頭が良いなと思います。
世間知らずで、恋に恋するアナを手玉にとって、結婚の約束を取り付け、危機にあるアレンデールを救う言動をとって人心を掌握し、着々と「自分が王になるために必要なこと」を遂行していく。
アナを生かしておいた方が、彼にとっては好都合だったような気もしますが、凍った心を溶かす「真実の愛」がハンスにはないから、アナを助けることはできない。
まあいいか、死んだら死んだで悲劇の婚約者を演じて民衆の同情を買い、人気取りをして王位につけばいい。くらいの気持ちだったでしょう。
彼の唯一の誤算は、エルサを仕留め損なってしまったことだけ。
ハンスからしたら、あと一歩。本当に残念だった。
クリストフは王子とは間逆の設定で、地位と名誉がない。
見た目も決してイケメンではない。
森で立ち小便するし、不潔じゃないのに臭いし、鼻くそを食べる。
実際の男なんてこんなもんだけれど、こうして列挙していくと、ヒロインの相手役として「ちょっとそれはないんじゃないの」という設定になっている。
でも、トロルが歌う「愛さえあれば」の歌詞の通り「誰もが完璧じゃない、大丈夫さ 愛さえあれば」なのです。
アナ自身がクリストフの欠点を受け入れられるなら、全然問題ない。
むしろ、欠点もお互い見せ合った後で、相手が運命の人かどうか見極めようという「お姫様に自分の頭で考えさせる」展開が新しかったですね。
なので、ラストでアナはクリストフとキスして「ああ、これから2人は恋愛をしていくんだな」というところで終わっている。
これが2人の結婚式で終わっていたら、話がぶち壊しだったでしょう